大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和24年(を)2610号 判決

原審第一回公判期日において検察官が犯罪事実に関する他の証拠に先だつて被告人の自白を内容とする司法警察員に対する第一、二、三回供述調書の取調を請求し、原裁判所もまた右の各供述調書を他のいかなる証拠よりも先に取り調べていることは所論のとおりであつて、右は刑事訴訟法第三百一条の規定に違反するものといわなければならない。しかしながら、もともと同条の規定は他の証拠よりも前に被告人の裁判外の自白を取り調べることによつて裁判所が公訴事実の存在につき不当な予断を抱くことを防ぐために設けられたものであるところ、本件においては右証拠調の前である前記公判期日の冒頭に被告人がすでに公訴事実をそのとおりであると認めているのであるから、右のごとき証拠調の順序に関する違法があつても、それによつて改めて裁判所に不当な予断を抱かせる虞が生じたということはできない。すなわち右の法令違反は判決に影響を及ぼすことが明らかでないから論旨は結局理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!